彼を知り己を知れば百戦殆うからずとは、孫氏の兵法ですが
洗濯にも通じる物があると感じる、洗濯オヤジです。

洗濯で言う彼(敵)は汚れ、己は洗濯物の素材と考えれば、洗濯作戦も立てやすくなるのではないかと思います。


今回からは衣類生地の加工方法についてまとめてみたいと思います。
これ、自分の勉強用に書いてるので正直つまらないです。興味ない人は飛ばしてくださいね(^^ゞ

衣類品の生産は、繊維を糸にして、糸を織物または編み物にして生地にします。
ここまでの段階で、染色もします。

被染物の状態や素材によって、染色方法や、染料が変わります。
染色された生地は、そのまま服地に使われたり、さらに付加価値を高めるために、さまざまな繊維加工を施されて服地に使われます。


1.織物とニットの基本

①織物
 タテ糸(経糸)とヨコ糸(緯糸)が所定の組み合わせ方式にしたがって互いに上下に交差して作られた布地。
 その組み合わせ方式によって作られた平織、綾織、朱子織を、織物の三原組織と呼ばれています。


平織り「ひらおり」

「平織り」とは、3つの基本組織の中でも最もベーシックなもので、

たて糸とよこ糸を1本ずつ交互に交差させる織り方。

 

頑丈な織りかたのため、他の織り方に比べて丈夫な布が作れるのが特徴。

逆に、なめらかであったり光沢感をもった織物は作れない。

 

 

【主な平織物】

 

ブロード

柔軟で光沢のある平織物。
シャツの定番素材。
よこ糸に比べたて糸に2倍ほどの本数を使用するため、その密度の差によって布面に細い横畝「ブロードクロス」が現れる。

シャンブレー

たて糸に色糸、よこ糸に白色のさらし糸を使った平織物。
色糸と白色が組み合わさることで、霜降り効果が生まれるのが特徴。
よこ糸に違う色の糸を使うことで、光を受ける角度によって、色や見え方が変わる玉虫効果が得られるバリエーションもある。

ギンガム
白ともう1色からなる爽やかなチェックの織柄を持つ、綿の薄手平織物。
この織柄を「ギンガムチェック」と言う。
同じ幅の白ともう1色のたて縞のものを「ギンガムストライプ」と呼ぶ

オーガンジー
上品な光沢のある薄く透き通った平織りの布地。

織目は隙間が見えるほど粗く、とても軽い。
張り、コシや弾力性があるのが特徴。
強撚糸で織り上げた後で硫酸処理をするため、透け感と光沢がでる。



綾織「あやおり」


英語でいうと = ツイル(twill)

別名 = 斜文織り

 

別名の「斜文織(しゃもんおり)」という呼ばれたかたが示すように、

ウネ(たて糸とよこ糸の交差点)が斜めに並ぶ織り方。

 

そして、綾織(斜文織)にて織られた織物を「綾織物」という。

なお、「サージ」やその仲間の「デニム」などが代表的な綾織物。



【主な綾織物】


デニム
しっかりとした厚みのある綾織物。
表面に縦糸の藍色が多く現れ、裏面はよこ糸の白色が勝って見える。
ジーンズの代名詞。

チノクロス
もともとは軍服用に使われた、緻密で丈夫な綾織物。
チノパンでおなじみ、丈夫なワークウエア布地。

サージ

毛織物の中でもっともポピュラーな綾織物。
学生服に多用される。
耐久力は高いが、擦れ易くテカリが出てくるのが欠点。

ギャバジン
たて糸がよこ糸の2倍以上の密度で織られた綾織物。
織目の密度が非常に高く、防水性、耐久性、保温性に優れる。
ジャケットやコートの素材として人気が高い。



朱子織「しゅすおり」

英語でいうと = サテン

 

 

頑丈な織り方の平織りはもちろん、綾織りよりも、さらにたて糸とよこ糸の交差が少なく、片方の糸の浮きが多くなる織り方。

平織り、綾織と比べると少数派。

 

 

綾織には連続した斜め線が表れるが、朱子織りに関しては、

 

連続ではないものの、ポツンポツンと規則的なペースで線が表れる。

 

なお、たて糸を多く浮かせたものが経繻子(たてしゅす)、よこ糸を多く浮かせたものが緯繻子(よこしゅす)と呼ばれる。

 

 

浮きが多い(交差が3種類の中で最も少ない)ため、交差が多い平織りと比べると

平織りのように頑丈な織り方ではないが、でこぼこしておらず表面は滑らかで柔軟、

そして、綾織りよりもさらに光沢感のある織物を作ることができるのが特徴。

 

摩擦に弱いことが主な弱点。


 

 

【朱子織の長所と短所まとめ】

 

  • 長所=綾織りよりも高い光沢感
  • 長所=表面が滑らか(すべすべ)・・・・・ツイードのようなザラザラ生地とは対極的
  • 長所=生地が柔軟
  • ×短所=摩擦に弱い
  • ×短所=頑丈な作りではない

  

 

【主な朱子織物】

 

平織物、綾織物と比べて種類はわずか。

 

サテン
サテンとは朱子織のことで、豊かな光沢とすべらかでやわらかな特徴の、高級感ある織物
フォーマルウエアに使われることが多い。


ドスキン
牝鹿のなめし皮に似た風合いの光沢感のある高級毛織物
紳士用礼服などに使われる


ビーバー
長めの毛羽で覆われた紡毛織物。
上品な光沢とやわらかな感触。ビーバーの毛皮のような風合い。
冬場のコート地に使われる。


ベネシャン

朱子織、または変化斜文織で作られる紡毛織物。
布面に急角度の細い畝が斜めに入る。
光沢のある、滑らかな手触りが特徴。
マットな質感で、メンズフォーマル向けの織物。


②ニット
ニットは、縦又は横のいずれか1方向の1本の糸によって作られる。
糸により、横方向(コース)若しくは、縦方向(ウェール)に連続した網目(ループ)で作られた布地。
網目の方向で緯編(コース)と経編(ウェール)に分けられる。


 緯編
  平編、リブ編、パール編を、三原組織という。

 経編
  デンビー編み、コード編み、アトラス編みを三原組織という。



2.染色
 大部分の繊維製品は、染料や顔料によって染められます。
 また、染め方や、被染物の状態によって染色の形式が分類されます。


染料と顔料

染料
 水などに溶解若しくは分散し、繊維に吸着して実用的な洗濯堅ろう度が得られるもの。ただし、繊維の種類によって適、不適がある。

顔料
 水には溶解せず、繊維に吸着しないため、樹脂を配合してプリントして固着する。
 繊維の種類には関係なく使用できるが、布地の表面形状によっては使えないものがある。
 摩擦堅ろう度が弱い。
 ドライクリーニングで顔料樹脂の溶脱がおこりやすい。



染め方による分類

 浸染(しんぜん)
 染料を溶かした水の中に染める物を浸して全体に着色する。

 捺染(なせん)
 染料または顔料に糊を加えて被染物の一部または全面に所定の色・柄をプリントする。


被染物の状態による分類

 綿染め
 紡績の前や途中で染める

 糸染め
 織物やニットにする前の糸の状態で染色

 反染め
 織物やニットの布地の状態で染色

 製品染め
 衣料品の形の状態で染色
 

 ※生地になる前に染める物を先染め、生地になってから染める物を後染めと言います。

染色性
繊維と染料で、染色性の相性が変わります。

主な染料の特徴

直接染料
媒染剤を使わないで直接染めることのできる染料
綿・麻・再生繊維(レーヨン・ポリノジック・キュプラ)・絹と特に相性が良い
アクリル・ポリエステル・アセテート、などは染色不可


酸性染料
分子中にスルホン酸基やカルボキシ基を有し、比較的分子量が小さい染料
毛・絹・ナイロン・ポリウレタンと特に相性が良い
綿・麻や、セルロース系の再生繊維や合成繊維、ポリエステルなどは染色不可


分散染料
スルホン基、カルボキシ基のような親水基をもたないので、疎水性であるが、界面活性剤(分散剤)により水溶液中に微小粒子に分散して、疎水性合成繊維に染まる染料。
ポリエステル、アセテート、トリアセテートなどの合成繊維と相性が良い。
綿・麻・再生繊維(レーヨン・ポリノジック・キュプラ)・毛・絹は染色不可


染色堅ろう度
衣料品は、使用目的や洗濯・保管方法に応じて各繊維メーカーが染色堅ろう度の試験を行い、品質管理を行っています。

主な試験項目は以下の通りです。

・日光に対する染色堅ろう度
・洗濯に対する染色堅ろう度
・水に対する染色堅ろう度
・汗に対する染色堅ろう度
・摩擦に対する染色堅ろう度
・ドライクリーニングに対する染色堅ろう度
・光及び汗に対する染色堅ろう度


3 繊維加工
  衣料品は、色以外にも付加価値を高め、差別化を図るために、風合いや外観の変化などに関する加工を行っているものがあります。その特徴についてまとめてみたいと思います。

(1)風合いに関する加工
・シルケット加工(マーセライズ加工)
 未染色の綿糸や綿織物を緊張状態で水酸化ナトリウム濃厚液で処理したもの。
 絹のような光沢と強度、染色性の向上などの効果がある。

・擬麻加工
 樹脂加工やゼラチン、コンニャク粉を使用したり、機械的な加工装置を使用して、綿やレーヨン繊維に麻のような外観とシャリ感、コシ、ハリを与える加工。

・減量加工(アルカリ減量加工)
 ポリエステルを水酸化ナトリウムの熱水溶液浸漬して繊維表面の組織を一部溶解して風合いを改善する加工。
 柔軟な風合いとドレープ性がでるが、生地が痩せ強度低下や縫い目脱落などの原因となるので、減量率は20%以下を目安とし、目寄れ、縫い目脱落や輪ジミなど起こしやすくなるので取り扱いに要注意。

・酸素処理(バイオウオッシュ加工)
 セルラーゼ酵素(主に細菌や植物から作られる酵素)を減量加工のように使用し、綿製品の風合いを改良する。
 デニムの柔軟加工やストーンウオッシュ加工と合わせて処理されたり、リヨセル(テンセル)製品のフィブリル処理(摩擦による毛羽立ちやささくれの防止)に用いる。

・ワッシャー加工
 洗濯機の運転による揉み作用で、ジーンズやカジュアルウェアなどに着古し感を与えるための製品洗い加工。

・液体アンモニア加工
 綿や綿混合物を液体アンモニアに浸けて緊張下で加熱する加工。
 光沢、強度、防縮、防シワ性、セット性が向上し、風合いがソフトになる。


(2)外観の変化に関する加工
・シワ加工
 布地に規則的又は不規則なシワを付ける加工。素材により方法は異なる。
 綿やレーヨンはローラーで型を付けた後樹脂加工する。
 合繊は、熱セットにより耐久性のあるシワができる。

・プリーツ加工
 布に折り目やヒダを付ける加工で、スカート、パンツ、ブラウスに多く使われる。
 素材により方法は異なり、綿は樹脂加工、合繊は熱セット、羊毛は折り目を付けてセット剤で処理するシロセット加工が知られている。
 モヘアなどの場合、再々プレスセットを強く行うと折り目部分の生地が傷み破損することがある。

・起毛加工
 布綿を針布や薊などでひっかいて毛羽立たせる加工。
 厚地で手触りが柔らかく、保温性がでる。

・ピーチ加工(薄起毛加工)
 ポリエステルの細いマイクロファイバーなどの新合繊の長繊維糸を用いた織編物の表面を桃の表面のように軽く起毛し、ソフトでサラッとした感触にする加工。

・エンボス加工
 織物を凹凸のついた加熱ローラーと、紙や綿のローラーの間に通して、凹凸のある模様を付ける加工。
 合成繊維は熱でそのままセットされるが、綿やレーヨンはあらかじめ合成樹脂を付けて、乾燥後に加工する。

・オパール加工(抜食加工、穴あき加工)
 耐薬品性の異なる2種類の繊維からなる布地に、一方の繊維を溶解する薬剤を捺染することにより、布地に薄い透かし模様をつくる加工。ブラウス、ワンピース、下着などに加工される。
 羊毛とナイロンの交織編物は水酸化ナトリウムで羊毛を溶かす。
 ポリエステルと綿の交織編物は硫酸で綿を溶かす。

・フロック加工
 布に接着剤を塗った後に静電気を帯電させて、布面に細かく短い繊維の毛羽(フロック)を振動や静電気により垂直に植え付ける加工。
 フロックは、レーヨン、ナイロン、アクリルのトゥ(多くのフィラメントを揃えた束)をカットして作る。
 接着剤の中には、ドライ溶剤に弱いものがある。
 表面の毛羽にダメージを与えるので、弱めの洗濯をする。
 アイロンは、プレスは浮かしてアイロンを掛ける。

・発泡加工(発泡プリント)
 ポリウレタンやアクリル樹脂に発泡剤を混ぜて布に塗布した後に熱処理する加工。
 塗布面の発泡剤が膨れて厚手の柔らかい風合いとなる。
 耐クリーニング性や、対摩耗性が弱く、亀裂しやすい。
 溶剤やもみ作用には注意する。
 
・モアレ加工
 絹、レーヨン、アセテートなどのフィラメント織物に、プレスなどで圧力をかけて、木目や波型、雲状の模様を付ける加工。
 水洗いやスチームで模様が消失しやすい。


(3)新機能の付与に関する加工
・樹脂加工
 合成樹脂を使用して多目的に行う加工の総称。
 防縮、防シワ加工からW&W加工など、高度で幅広い加工に応用されている。

・はっ水加工
 繊維製品に水をはじき、中ににじみ込むのを防ぐ加工。
 シリコン系やフッ素系の撥水剤を用いる。

・コーティング加工
 布面にオイル、ゴム、塩化ビニル、エナメル、ラッカー、ポリウレタンなどの化学樹脂類を塗り、防水などの機能や、ファッション的な表面効果を与える加工。
 
・オイルコーティング
 コーティング加工のひとつ。
 かつては綿などの布地に植物性油脂を塗る加工が多かったが、最近はポリウレタン樹脂をもとに、シリコン樹脂、フッ素系樹脂、油脂類を加えて塗布する方法が増えている。(オイルクロスと言う)

・ラミネート加工(ポンディング加工)
 布に薄いポリウレタンなどのフィルムシートなどを貼り合わせる加工。
 保温性が高く防寒衣料やカーペットなどに利用する。

・防縮加工
 洗濯や取扱いによって収縮する繊維の性質を抑える加工の総称。
 繊維の種類によって、方法が異なります。
 綿:樹脂加工、液体アンモニア加工、マーセライズ加工、サンフォライズ加工
 羊毛:表面のスケール先端の除去、樹脂による被膜(マスキング)
 合成繊維:熱セット

・サンフォライズ加工(圧縮収縮仕上げ)
 綿布を専用の加工機械により防縮する加工。
 原反を機械的にオーバーフィードして径糸方向に収縮させながら熱セットすると、縦横ともに縮みは1%以内にとどまる、アメリカの特許

・形態安定加工
 綿や混紡のワイシャツなどが、洗濯を繰り返しても縮まず、形くずれを生じさせない加工。
 あらかじめ液体アンモニア加工と樹脂加工をした生地を、縫製後に熱処理する方法(SSP加工)と製品をホルマリンガスで処理する方法(VP加工)がある。
 アイロンやプレスの際に、製品に付けられた折り目が二重にならないように注意。

・帯電防止加工(制電加工)
 繊維の静電気を抑制する加工。
 静電気を防ぐ、帯電防止剤は一時的な効果なので、恒久的には金属繊維など導電性の繊維を使用するのが望ましい。

・防水加工
 布に水がしみて濡れることを防止する加工。
 テントや雨具の通気性が不要なものに、塩化ビニルや合成樹脂でコーティングして被膜を作り防水する。しかし、汗の水蒸気も通さないので蒸れる。

・透湿防水加工
 水蒸気は通すが、水滴は通さない加工。
 水滴の直径より小さい無数の穴を持つポリウレタンの親水性透湿膜をコーティングするか、多孔性のフィルムをラミネートする方法がある。

・吸湿、吸汗加工
 合成繊維の欠点である、低い吸湿性や吸汗性を向上させる加工。
 吸湿性物質と合成繊維を結合させるか、原糸段階で配合する。

・防汚加工
 繊維製品を汚れにくく、付着した汚れを落としやすくする加工。
 水性や油性の汚れを防ぐには撥水加工、埃などの吸着を防ぐには帯電防止加工が有効。

・SR加工
 ソイル・リリース加工の略で、合成繊維の防汚加工のひとつ。
 繊維に親水性を持たせる加工で、静電気の発生を抑え、汚れや埃の付着を減少させ、汚れが洗濯で落ちやすくなる。

・抗菌防臭加工
 汗や分泌物による、菌や微生物のなどの増殖を抑制し、不快な臭いの発生を防止する加工。
 殺菌力のある抗菌剤を布面に固着するか、原糸に練り込む。
 加工剤は、安全性の面から刺激性の少ない、4級アンモニウム塩系、フェノール系化合物などが使用される。
 洗濯は、中性洗剤を使用し低温で洗う。塩素系漂白剤の使用は避けるなど取扱に注意。

・防虫加工
 羊毛の欠点である虫害を防止する加工。
 繊維自体に低毒性の防虫剤を吸収・結合させる。  


・抗ピル加工(ピリング防止加工)
 合成繊維の毛玉(ピリング)の発生を抑える加工。
 長めの毛羽を切ってからガス焼きする。
 生地の表面を化学的に処理して、毛羽の強度を強くする。
 樹脂を付けて繊維間の摩擦係数をあげ毛羽立ちをすくなくする。
 などの方法がある。



まとめ
 衣類は繊維の種類以外にも、製造や加工方法によっても取り扱いに注意です。
 そのためにも、自宅で洗濯する場合は、購入時や洗濯前に素材だけを確認するのではなく、洗濯表示で洗い方の確認をすることも大事ですね。
 クリーニング店に出すのが前提の衣類ならどんな素材、加工でもほぼ大丈夫なものが多いかも知れませんが、中には、ドライクリーニングも水洗いもできないような、どうしたらいいの??っていうような洗濯表示が付いているものがあるので注意しましょう(^^ゞ